東京都荒川区に栗原紙材という大手の古紙問屋がある。そこの常務はこう語る。「国内相場を維持するためには、需要がないなら供給を減らせばいい。そこでわれわれ同業者は抽出を検討したんです。これは国内相場を維持するのが目的だから船賃さえ出ればいいわけで、事実上の無料輸出案でした。ところが、ドイツから政府の補助金つきで船賃さえもタダという古紙が東南アジアに持ち込まれていることが判明してやめてしまったんです。いくらなんでも船賃もタダでは会社がもちませんから」チリ紙交換というたったひとつのことを追い求めると、一部の人々が称賛してやまないドイツ環境政策の裏側が見えてくる。リサイクルにはこうした一面も隠されているのである。はたして補助金つきで古紙を輸出することが健全なリサイクルなのか。これではリサイクルではなく、ゴミの海外持ち出しといったほうが正しいのではないだろうか。