たくさんの同じようなものの中から、たった一つ自分のものを選び出す。ものをイメージに置き換えてとらえ、自分とイメージが一致するかどうか想像して判断する。集中力がなければ、その場その場で、ああ可愛い、これも素敵と「何となく」買っていき、後で合わせてみるとばらばらで収拾がつかないという状態に陥ってしまうだろう。なぜならそれはものの色や形という、見た目のディテールだけを追って見ているからだ。だからコーディネイトして身につけたときに、自分自身との不協和音が起こることになる。自分のイメージと、もののイメージが合わない。するとその人の印象は散漫で、曖昧なものになってしまう。せっかく気に入って買ったものも、結局本人の自己満足だけで終わってしまうことになる。「似合う」というのは、身につけたものと、着る人のイメージとがきれいに一致し、調和している状態をさすのだと思う。そうでなければ、ただ単に「その服の色はきれい」「その口紅の色が鮮やか」という印象しか人に与えない。一つひとつがたとえどんなに高級で、センスのいいものであっても、その人のイメージに合っていないものは、その輝きも効力も意味のないものとなる。選択にじっくり時間をかけると同時に、「買い」の現場では集中力をもって自分のイメージともののイメージとの合致を判断する。その時、ある一定のスピード感をもって選び取る。グズグズと迷う時はたいてい間違っている時だと私自身は決めている。瞬間的にピンとくる、この感じを訓練していきたい。